音響調整と音響測定の基礎知識

音響調整と音響測定の基礎知識

音響調整と音響測定の基礎知識について、概要とポイントをご説明致します。

音響調整は、コンサートホールだけでなく、駅やデパート・競技場・体育館・劇場等、放送・音響設備のある施設では、アナウンスがよく聞こえるように音響調整されています。

音響障害は、室内形状等の建築音響や電気音響に起因するこもありますが、音響調整で改善することもあります。

こちらのページでは、音響調整と音響測定の基礎知識について、手順やポイントをご説明しております。


音響調整 ホール音響調整 体育館音響調整

音響調整と音響測定のポイント

人の聴覚は、音量と音の高さ(周波数)にも感覚を持っています。

しかし、そのことを理解せずに、せっかく導入した音響設備が初期設定のままになっており、運用に支障を来している場合があります。

音響調整と音響測定は、良好な音環境を実現する為にも、大切なポイントです。

導入した設備の本来の性能を引き出して、良好な音環境を実現する為にも、音響調整と音響測定の実施をご検討ください。

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*下記に各項目ごとに手順とポイントをご説明しておりますので、ご覧ください。

音圧レベルについて

音圧レベルは総合的な音量だけではなく、周波数の違いも考慮して、高音・低音共に、全ての客席に対して均一な音圧レベルである必要があります。

音圧レベルの確認は、室の隅々まで分析できるように、複数の場所を適度な間隔で測定します。

測定する位置は、人の耳の高さ(通常床から1.2m)となるようにして、音量を測定します。

*下記は簡単な略図です。(スピーカから測定用の音を出して、騒音計で測定します。)

音圧レベル

伝送周波数特性

伝送周波数特性とは、受音点(客席など)での周波数の違いによる音圧レベルの変化を示す特性です。

伝送経路トータル周波数特性なので、ミキサ・スピーカ・アンプ等の個別の周波数特性と建物や室の影響も含まれます。

周波数ごとの音圧レベルの変化を測定することが主体となりますので、その測定方法は拡声対象エリアに対して、測定ポイントを一定間隔で設定し、それぞれの点でスペクトルアナライザーを利用して1/3オクターブ分析を行います。

使用する信号は、周波数特性がフラットなピンクノイズを使用します。

ピンクノイズを音響設備に入力・拡声して、測定ポイントに届いた音の周波数特性を分析します。

*下記は簡単な略図です。

伝送周波数特性

安全拡声利得

安全拡声利得とは、ハウリングが起こらない安全な状態での音響設備の動作領域を指標で表現したものをいいます。

手順としては、はじめに音響設備を通常マイクを使用する状態にします。

次に、ハウリングの臨界点まで音響調整卓のゲインを上げた後、可変抵抗器で6dB下げます。

*ハウリングの臨界点より6dB下がった状態を安全な拡声状態と定義しています。

音源装置からピンクノイズを再生して、被測定マイクロホンの位置で80dBの音圧レベル(LM)になるように擬似音源スピーカのアンプのゲインを調整します。

その状態で、拡声対象エリアの音圧(LA)を測定します。

安全拡声利得は次式で与えられ、数値が大きいほど特性が良いことを意味します。

安全拡声利得=(LA)-(LM)安全拡声利得は一般的に -10dB以上が目標値とされています。

*下記は簡単な略図です。

安全拡声利得

最大再生音圧レベル

最大再生音圧レベルとは、音響設備が歪むこと無く、再生できる最大の音圧レベルのことをいいます。

ミキサ・シグナルプロセッサ・アンプ等がクリップしていないこと、スピーカからの音が歪んでいないことを十分に確認しながら徐々に再生音を大きくします。

拡声領域内の音圧を騒音計で測定して、最大の音圧レベルを記録します。

音響設備を破損させない為にも、必要とする音圧レベルに対して、プラス10dBの最大再生能力を持つ事が望まれます。

*下記は簡単な略図です。

最大再生音圧レベル

残留ノイズ

残留ノイズとは、電気音響設備に起因するノイズレベルを示す指標です。

信号を入力せずに、拡声状態にした音響設備から出るノイズに関する評価です。

音響設備を最大音圧レベル状態にしたときに電気音響設備から発生するノイズに対して、周波数分析を行います。

結果が暗騒音レベルより低い場合、残留ノイズは暗騒音以下ということになります。

*下記は簡単な略図です。

残留ノイズ


以上が、音響調整と音響測定の基礎知識についてのご説明です。

導入した設備の本来の性能を引き出して、良好な音環境を実現する為にも、音響調整と音響測定の実施をご検討ください。

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