サックス防音室の基本的な考え方とは?

サックス防音室で検討が必要な項目

サックス防音室の工事を計画する際の注意点と検討が必要な項目について、まとめています。

サックス防音室は、室内で出す音が隣接する部屋や隣戸へ騒音にならないようにすること、隣室や屋外からの騒音が練習に支障ないようなレベルにすることが重要です。

こちらのページでは、サックス防音室の防音・防振構造等、設計・工事を行う際のポイントについても、ご紹介しています。

当サイト「プロ音響ドットコム」では、プロを目指す方やサックス教室を開業予定の方向けに、プロ志向のサックス防音室をご提案致します。


サックス防音室 サックス防音室1 サックス防音室2

サックス防音室の基本的な考え方

サックス防音室を検討する際の基本的な考え方と注意が必要なポイントについて、ご説明致します。

サックス防音室の工事を行う際には、防音対策はもちろん重要ですが、同時に室内の音響特性も検討する必要があります。

サックス防音室は、サックスの練習室ですので、防音工事だけでなく、室内の響きや、音質を重視した設計・施工を行うことが大切なポイントであり、基本的な考え方です。

音響の知識の少ない防音工事業者では、防音対策のみを優先して、音響特性を軽視する傾向があり、施工後に、音質が悪く、練習にも支障をきたしている等の事例が増えていますので、注意が必要です。

サックス防音室は長期間使用致しますので、施工後に、音響障害等で悩まない様に、業者選びを含め慎重に検討しましょう。


サックス防音室の検討項目

サックスの防音対策で検討が必要なポイントを各項目ごとにご説明致します。

サックス防音室の防音設計目標値

サックス防音室の防音性能は、D値という遮音性能の等級で評価されます。

隣室の使用条件によって必要な防音性能は変わりますが、サックス防音室の場合はDr-60~Dr-65が目標値となります。

一般の建物を設計する場合、マンション等の集合住宅では、遮音性能が一級のD-50程度が標準的です。したがって、サックスを演奏する場合は防音工事が必要になります。

サックス防音室の防振構造について

単一部材の遮音性能は、入射音の周波数と材料の面密度の対数に比例します。(質量則)

つまり、材料の重量が増えると遮音性能があがります。

しかし、質量則では、重量を2倍(同一材なら厚みを2倍)にしても6dBしか遮音量は増加しません。

この質量則以上の遮音量を得るには、部材間に空気層をとった二重壁を構成することにより可能となります。

また、この部材間の振動伝達を抑えることによりさらに防音性能が向上します。

したがって、マンション等のサックス防音室のような高度な防音性能が必要な場合は、防振設計が必要不可欠となります。

次に、音には空気を伝播してくる「空気伝播音」と、壁・床・天井等の物体内を伝播する「固体伝播音」があります。

固体伝播音は、その物体が振動することで音が伝播するので、壁などを厚くするだけでなく、防振構造(浮遮音層)が必要となります。

特にマンションやビル等にサックス防音室を導入する場合は、床に伝播する振動に対して、防振構造(浮き床工事)が必要不可欠となります。

苦情の発生しているサックス防音工事では、防振構造が無い、または十分でないことが多いため注意が必要です。

サックス防音室の騒音対策

サックスの練習をしていて、外の道路の音が気になったり、内部の空調の音がうるさかったりすると、演奏に集中できません。

サックス防音室で、より良い音質で、快適に演奏するためには、室内の静けさが必要となります。

室内で生じる騒音源は、外部から侵入する騒音及び室内で生じる設備騒音です。

室内の設備騒音に対する設計目標はNC-25~30程度になります。

サックス防音室の室内音響設計

サックス防音室では、防振、防音性能はもちろんのこと、快適に演奏できる良好な室内音響環境が必要です。

高音質で快適なサックス防音室を実現するためには、響きの長さ(残響時間)を調整するだけではなく、音質や音色を調整すること、すなわち響きの質を設計することが必要です。

極端に響きが少ない部屋や、響きすぎて原音がわからないような部屋では、良好な音環境ではありません。

サックス防音室の残響時間は、音楽のジャンル、演奏者の好みによって異なりますが、平均的には、室内平均吸音力が25%~35%程度の設定が最適な残響時間を得られる目標値になります。


以上が、サックス防音室の基本的な考え方とサックス防音室の主な検討項目についてのご説明です。

サックス防音室の工事を行う際には、防音対策はもちろん重要ですが、同時に室内の音響特性も検討することが大切です。

当サイト「プロ音響ドットコム」では、プロを目指す方やサックス教室を開業予定の方向けに、プロ志向のサックス防音室をご提案致します。

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