プライベートスタジオ防音工事

プライベートスタジオ防音工事

プライベートスタジオ(自宅スタジオ)の防音工事を行う際の検討ポイントについて、まとめています。

プライベートスタジオでは、演奏する楽器やバンド演奏で使用するかなどで、大きく工事の内容が変わってきます。

特にドラムなどの打楽器も含めたバンド演奏の用途がある場合は、細心の注意が必要です。

こちらのページでは、プライベートスタジオ(自宅スタジオ)の防音・防振構造等、設計・工事を行う際の検討ポイントについて、ご紹介致します。


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プライベートスタジオ防音工事の検討ポイント

防音設計の目標値

防音性能は、D値という遮音性能の等級で評価されます。

プライベートスタジオの場合は、音源や施工場所により、求められる目標値はことなります。

また、防音はもちろんのこと、防振や残響時間等、検討・対策項目が多い為、高いレベルでの「防音」「音響」の知識や技術が求められます。

プライベートスタジオの防音・防振構造

単一部材の遮音性能は、入射音の周波数と材料の面密度の対数に比例します。(質量則)

つまり、材料の重量が増えると遮音性能があがります。

しかし、質量則では、重量を2倍(同一材なら厚みを2倍)にしても6dBしか遮音量は増加しません。

この質量則以上の遮音量を得るには、部材間に空気層をとった二重壁を構成することにより可能となります。

また、この部材間の振動伝達を抑えることによりさらに防音性能が向上します。

したがって、プライベートスタジオのような高度な防音性能が必要な場合は、防振設計が必要不可欠となります。

音には、空気を伝播してくる「空気伝播音」と、壁・床・天井等の物体内を伝播する「固体伝播音」があります。

固体伝播音は、その物体が振動することで音が伝播するので、壁などを厚くするだけでなく、防振構造(浮遮音層)が必要となります。

苦情の発生しているプライベートスタジオでは防振構造が無い、または十分でないことが非常に多いため注意が必要です。

プライベートスタジオの防振設計・工事

防振材の種類は、防振ゴム・金属スプリング・エアーサスペンション等様々ですが、プライベートスタジオの防音工事に使用される防振材は、ほとんど防振ゴムです。

一般的には円筒型防振ゴムですが、最近では、リングマウント・ボールダンパーのような質の高い防振材が主流になっています。

ゴム・ポリウレタン系の防振パッド・シート・フォーム材に組込まれているタイプは、簡易防振材なので、性能を追及する防音工事には不向きです。

防振材の選び方

  1. 固有振動数Foを10Hz程度に設定
  2. 防振ゴムの設定は、防振したい周波数の1/3の周波数に固有振動数(f0)を設定します。

    10Hzに設定すると、30Hzぐらいから防振性能が発揮されます。

    ゴム、ポリウレタン系の防振パッド・シート、フォーム材に組込まれているタイプでは、10Hz程度に設定できませんので使用できません。

  3. 固有振動数Foでの共振レベルが低いもの
  4. 固有振動数Foでは、振動レベルは増幅されます。

    このレベルが高い防振材では、プライベートスタジオなどの建築の防振材としては不向きです。

    通常の防振ゴムでは10~15dBですが、15~25dBと非常に大きな防振材もあり注意が必要です。

    この周波数付近でのレベルが増幅し、外部からの低い周波数の振動に弱く、上部での人の動きの揺れに問題が生じることもあります。

  5. 防振材の減衰特性
  6. 内部摩擦抵抗が少なく、共振点の増幅が大きく、なかなか減衰しない防振材は、バネ自体の縦振動による共鳴現象(サージング現象)を起こすため可聴域の防振効果が悪くなります。

    *床の振動による共振音がマイクロフォンに入り問題が生じる可能性がある為、内部摩擦抵抗が適度である防振ゴムの選定が必要です。


以上が、プライベートスタジオ防音工事の検討ポイントについてのご説明です。

プライベートスタジオでは、演奏する楽器やバンド演奏で使用するかなどで、大きく工事の内容が変わってきます。

防音工事業者の中には、そのことを考慮せずに、同じパターンでプライベートスタジオを施工する業者がいますので、注意が必要です。

プライベートスタジオの防音工事は、施工実績が豊富で技術力のある業者へ、見積・設計・工事依頼しましょう。

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